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■ 参考資料:協議会設立の呼びかけ
2008年3月22日 社会政策関連学会協議会設立準備委員会

 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 この度は、社会保障、労働、福祉、協同など、広い意味での 社会政策に関連する研究分野の学協会(以下、社会政策関連学協会と呼ぶ)の間に、協議組織(以下、社会政策関連学会協議会と呼ぶ)を設立することを、ご提案申し上げたく、お便りいたします。
 ご承知のように、近年における社会の変化はすさまじく、経済的格差の拡大や社会的排除の進展をはじめとして、見過ごせない諸種の社会問題が累積しつつあると懸念されます。にもかかわらず経済グローバル化のなかで、「社会的」な諸課題は「経済的」な必要性や利害の後景に退けられがちです。このような状況の下で、社会保障、労働、福祉、協同などに関する研究を振興し、また研究成果を社会に還元していくことが、関連学協会に対して強く要請されていると考えます。
 しかし現状では、社会政策関連学協会のみならず人文社会科学一般にとって、研究の振興やその成果の普及をめぐる条件は厳しさを増し、「危機」さえ語られています。たとえば、第3期科学技術基本計画により5年間で24兆円の政府予算が科学の振興に投じられますが、基本計画が立脚する科学技術基本法は、施策の対象である科学技術について「人文科学のみに係わるものを除く」と規定し(第1条)、人文社会科学を枠外に置いています(『学術の動向』2007年4月号の特集「人文社会科学の役割と責任」などを参照)。
 最近、さまざまな分野で学協会連合や協議会の設立が相次いでおり、とく人文社会科学の諸学協会の動きの背景では、上記のような人文社会科学の相対的貧困ないし危機が強く意識されていると考えられます。本来「関与」の学ある社会政策関連の研究分野では、研究から得られた知見や洞察の社会還元とは、実際の政策や社会運動などの社会の動きに反映されることでしょうが、現状ではそれは不十分といわざるを得ず、研究の意義を問われています。そうした危機の原因の一端は、細分化し内向きになりがちな学協会のあり方にもあるとはいえないでしょうか。
 以上の問題意識から、社会政策関連学協会の協議会を設立し、研究の振興と成果の還元に役立てることができればと考えます。あらかじめ「社会政策」を定義することなく柔軟に幅広く理解し、社会学、経済学、政治学、法学、などの既存ディシプリンを超えて関連学協会が集まることが有益ではないでしょうか。
 社会政策関連学会協議会は、社会政策に関連する研究の発展を目的とする活動をおこないます。学協会間の交流と情報の交換を促進し、学協会の共同による研究活動および  研究成果の社会還元活動をおこないます。たとえば、設立準備委員会が2008年3月22日に開催したシンポジウムは、その活動の一例となるでしょう。さらに、国内にあっては日本学術会議と連携をつよめるとともに、また海外の社会政策関連学協会との交流につとめ、研究の発展をはかります。
 社会政策関連学会協議会は、その第1回会合を2008年7月21日(休日)午後2時から開催して、正式に発足させる予定です。本協議会の発足にご賛同いただける社会政策関連学協会は、本協議会第1回会合までに、本協議会への入会と協議員2名以内の選出を、学協会内のしかるべき機関で決定していただき、本協議会第1回会合に協議員をお送りいただきたく存じます。また、その旨を、下記のご連絡先にお知らせいただきたく存じます。もちろんですが、本協議会第1回会合の後に、本協議会への入会などの機関決定がなされる場合は、順次、本協議会に入会していただきたく存じます。

2008年3月22日
社会政策関連学会協議会設立準備委員会
浅倉むつ子(早稲田大学)井上英夫(金沢大学)遠藤公嗣(明治大学)大沢真理(東京大学)大槻奈巳(聖心女子大学)神尾真知子(日本大学)小林良二(東洋大学)武川正吾(東京大学)田渕六郎(上智大学)中川雄一郎(明治大学)野口定久(日本福祉大学)平沼高(明治大学)藤田栄史(名古屋市立大学)古川孝順(東洋大学)